癖っ毛侍

それでも、天然パーマで生きていく。

顔認証システムの恩恵


未来のことを考えるとワクワクしていたのは子供の頃だけでしょうか?



空を飛ぶ車、自動で好きなものを料理してくれる機械、友達になってくれる人型ロボット。


未来というキーワードがそういった夢に紐付いていたのを、忘れてやいませんか?




たしかに大人になってからは未来には希望よりも不安を抱くことが多くなったように思います。





楽しかった過去だけを振り返り、楽しい未来だけを想像することが、いつからだか悪いことのようになっていた自分がいました。


これじゃダメだ。人生楽しくない。



たまには老後も仕事も全部忘れて、遠い未来の楽しいことを考えよう。




そんなことを考えながら通勤電車で遠い目をしていたところ、会社の携帯が鬼バイブして直近の未来のことで頭が埋め尽くされたダイキベイダーです、こんにちは。




さて、通勤電車と書きましたが、僕は毎日電車で会社に通っています。


思えば高校時代に電車通学をし、大学時代も電車通学、そして今も電車通勤。


僕だけでなく、日本人の大多数は僕と同じように通算すると電車の中に数ヶ月はいるのではないでしょうか。



思えば時代の移り変わりも、電車で痛感していたように思います。


高校の制服を着ていた友人とばったり出くわして一緒に通学し、私服で茶髪の友人とばったり出くわして大学生活の近況を話し合い、スーツ姿の友人から誰々が結婚するなどという話を聞いていたのは、全て電車の中だったのです。


そしてそういった時代の移り変わりの実感は思い出だけでなく、技術進歩にも言えます。



最も身近なところで言えば切符です。


券売機で切符を買っていた時代から、Suicaに代表されるチャージ式の非接触型ICカードとなり、今ではスマホでかざすだけで改札を通れるようになりました。
スマホで運賃のクレジットカード決済が完結するというのも、切符時代からすると飛躍的な進歩ではないでしょうか。



そしてこの進歩は、今現在も続いており、将来的には顔認証で改札をパスできるようになるという話があります。




改札口の天井に顔認識カメラが付いていて一人一人を判断するんです。


顔認証により改札を通され、決済まで完結する。



トムクルーズ主演の映画『マイノリティリポート』で似たような描写があったかと記憶していますが、映画の未来がすぐそこまで来ているとなると生きているうちに技術進歩により天然パーマの撲滅を願う僕としては
ココロオドルというものです。




ところで、どんな最新技術でも世に出た瞬間にこれはどこまで凄い技術なんだ?と試したくなるのは人間の性ですよね。


切符は裏面を上にしても改札を通るのかに始まり、 Suicaはどのくらいのスピードまで認識するのかを試すために
早足で改札を通ろうとしてエラーを起こしていたという歴史が最新技術に向けられる人間の探究心を物語っています。




もし顔認証システムが採用されたら
変顔で改札を通ろうとする人が続出するでしょうね。






そんな楽しい未来を考えて、今日も僕はワクワクしているのです。

盲腸事件

こんばんは、ダイキベイダーです。



人は時にとんでもない試練を迎えるものですが、僕の知る限り人生最大の試練は盲腸になった時でした。



社会人2年目のある夜、その日は新しく発足した仕事が忙しく、朝からバタバタしておりました。


2年目のペーペーのくせに「なるはやで」を連呼し、社内を小走りで移動していたくらいでした。


ただ、前日からみぞおちのあたりがキリキリと痛むといった症状に襲われており、「はっは〜ん、これが社会人のストレスですか」と鼻くそをほじりながら思っていたことをよく覚えています。



ただ、その日の昼になると、突発的な下痢に襲われたような痛みがへその下に感じられ、何度トイレにかけこんでも何も出ないという症状になっていました。



いつになったらこのウ◯コ出るんだよという苛立ちに駆られると同時に、会社の先輩から「顔色悪いよ」と指摘されるほどにまでなっていた僕は、午後2時ごろ病院に駆け込みます。



「先生、お腹がめっちゃ痛いです。」



腹部に手を当てたり、熱を測ったりした後に下された診断を僕は今も忘れることができません。


「糞詰まりですね」


そうか、なるほど。強情なウ◯コがいるだけか。


便秘薬を貰った僕は、腹部に洒落にならないくらいの痛みを抱えながら会社に戻ります。



仕事に没頭していると、色んなことを忘れられるものです。

プライベートのこと、読みかけの本のこと、見たい映画のこと。

そんなことも全部忘れて仕事に没頭する僕ですが、腹の痛みだけは忘れられません。



定時を超え、先輩からの飲みの誘いも断り、仕事を続けます。



気付けば同僚は皆帰宅し、会社には僕1人となっていた夜の12時。



ついに僕は思います。



この腹痛、そろそろやばいんじゃないか。




仕事も一段落していたので、後の仕事は明日に回そうと考えながら、なんとなく盲腸セルフチェックというサイトを見ます。




4つ以上当てはまった人は今すぐ病院へと前置きのある診断において7つ全てが当てはまるという快挙。



学生時代から勉強の出来なかった僕。



小学生時代以来の満点です。




おいおい嘘だろ、と疑いながら何度セルフチェックを試してみても満点を叩き出す僕。




こ、これはやばい!ということで近くの大きな病院に即電話


女の人が出てくれました。


「あのぅ、盲腸っぽいんですが。」




「はい?」



まさか聞き返されるとは思わず、さらにテンパる僕。

「いや、あの、昨日からお腹痛くて、今調べてみたら盲腸っぽいんですが。」



「え、ああ、そうですか。ちょっと待ってください。」




1分ほど待たされて別の女性が電話に出てくれました。



「ちゃんと診断したいんですけど、救急車が出払ってて、申し訳ないですけど自分で来れますか?




「え?自分でですか?…分かりました。すぐ行きます。」



すぐさま会社を出て、会社まで乗り付けていたマウンテンバイクにまたがり病院に向かう僕。



一漕ぎするたびにジンジンとお腹に痛みが広がります。



これ、本当に盲腸だったら俺すげーなと思いながら立ち漕ぎして病院に向かう僕。



ひーひーふーで呼吸を整え、病院に向かって走ります。


10分ほどで病院に到着し本来救急車の出入り口であるはずの通路に自転車でピットイン。




長い病院の歴史で自転車で救急救命口に乗り付けた病人は僕くらいじゃないでしょうか。


病院に入ると即座に診断が行われます。

レントゲン、血液検査、エコー検査。

その間も激痛は続きます。

30分程度診断が行われ、先生がサラッと言ってくれました。




「盲腸ですね。今から手術します。」





だと思ったよ!!!



叫びたい衝動を抑え、あえて深刻そうに頷く僕。



見てるか、そこの看護師さん。



多分さっき会社から電話した時に出たのアンタだよな?


アンタが救急車を断った男の子、本当に盲腸だったのに自転車でここまで来たぞ。



先生「それにしてもすごいね。自転車で来たんだって?」



あの人が来いって言ったからだよ!!!


とは流石に言いませんでしたが、少しはその罪を重く感じて貰いたいと思い「え、ええ…」と必要以上に痛そうな顔だけしておきました。



2時間後には手術をしてそのまま入院という手筈になったのですが、もちろんその時の僕はスーツ姿でお泊まりグッズなんてありません。


ふと先輩に飲みに誘われていたことを思い出し電話をしてみるとすぐに出てくれました。


5人ほどの先輩達で飲んでいたそうで、夜も遅くお酒が回っていたところだったので仕方がないことですが「うぃ〜!今ダーツバーで飲んでるー!いえーい!お前はよ来いやぁ!!ギャハハ」という声には少しイラっときました。




盲腸であること、この後手術をすることを説明すると「え!?マジで!?おい!今から手術するんだってよ!マジマジ!盲腸だってよ!いやマジだって!あはは!あはははは!いやいやどうもマジっぽいよ」という声が聞こえてきて少しイラっときました。



でも、持つべきものは先輩です。

その後すぐにベロンベロンの状態で病院に駆けつけてくれた先輩達。


水色の病人服を着ている僕を見て一通り爆笑したのちに、僕の一人暮らしの家まで行ってお泊まりセットを持ってきてくれました。


本当に感謝しかないです。感謝しかないのですが、お泊まりセットを用意するついでに僕の部屋のエロ本を勝手に持っていったのは許せない。



その後、無事に手術は成功してすっかり健康体になりました。


そういえば手術の日、たまたま研修医が数名いて虫垂炎(盲腸)の触診を行いたいということで僕のお腹を1人ずつ触りにきました。

俺、医学の未来に役立ったんだなと感じた時に盲腸になった自分が少し誇らしかったことを覚えています。





術後、すぐに元気になったのは良かったのですが、仕事が忙しすぎて手術してから2日後に出社したのも今となっては良い思い出かもしれません。




でも、よくよく考えるとそのあたりからですかね。


会社を嫌いになったのは。






人は時にとんでもない試練を迎えるものです。

いついかなる時にどのような試練を迎えるかなんて誰にも分かりません。

僕から言えることは、そうなったときの備えとして部屋のエロ本は見つけにくいところに常備するべきだ、ということです。

世界平和のために

こんばんは、ダイキベイダーです。


今日は僕なりに世界平和について考えてみようかと思っています。


少しの間ブログの更新が止まってしまいましたが、何を隠そう世界平和のことを考えていたからに他ありません。



決してなんかちょっと疲れたとかじゃないですし、ネタが思いつかないとかでもないです。



純粋に 世界平和考えてみよ〜っとてな気分なのです。



まぁそもそもダイキベイダーといった宇宙征服を企んでいるキャラクターにインスピレーションを受けた名前を使っている僕が世界平和について考えることに強い違和感を感じてしまうことはこの際忘れましょう。







あのね、僕、世界平和に向けて絶対やるべきアイデアを持っているんですよ。


それがネットで意見を投稿する際には強制的に「〜と私は思います」が語尾に付くようにするというものです。



結構前に思いついて最近思い出したんですけど、これさえできれば世界中の喧嘩が激減すると言ってもよいと思います。





僕が感じる限りではあるんですけどね、ネットにおける論争が無駄に多すぎます、ネット社会。



顔を突き合わせて話しているわけではないので、間違いを認めて謝る文化が生まれていないのは分かるのですが、それにしても無駄な論争が多い。


ネットでの言葉って実態はただの個人の意見なのにまるで世間一般の当たり前を言ってますと言わんばかりの民意を汲んだ主張に見えてしまうんですね。




いやね、そもそも大前提として個人の意見ですから。


否定するにしてもあなたはこう考えているようだけど、私はこう考えるって否定すればいいだけですから。




こんな単純なことなんですが、いざネットを使っているとそのことを忘れてしまうんですよね。



僕も例外じゃないですが、本当に後から考えてみると無駄な議論なんですよ。



だからもうやめましょうよ。そもそも個人の意見だという大前提を忘れるの。



そんなのガッキーが好みかどうかでケンカしてるのと何も変わりませんよ。




「ガッキー可愛いよな」
「いや可愛くないだろ」
「は?どんな目してんだよ。普通に可愛いだろ」
「なんと言われようが可愛くないわ」




大体こんな感じです、ネットの喧嘩。




とにかく語尾に強制的に〜と私は思いますを付ければいいんです。



個人の主張だってことを忘れている人が多いから、もうわざわざ書いてあげればよいのです。




何言ってんだこいつと私は思います。


お前ら馬鹿過ぎワロタと私は思います。


はいはい自演おつと私は思います。



ほら、ムカつかなくなりません?


こうすることでネットにおける無駄な罵詈雑言の飛ばし合いはグッと減ると思うのです。




そして、ネットでのケンカが減ることによってまた一歩世界平和に近づくのだと私は思います。

ワインバルが怖い。


こんばんは、ダイキベイダーです。


今日は満を持して言いたいことがあります。



前から思ってたんですけど、
ワインボトルのこの持ち方、もうやめにしませんか?




最近増えてますよね、ワインバル的なお店。


基本的に赤ちょうちんが好きな僕ですが、ワインも好きなので時々そういうお店に行くんですけどね、結構な確率でこの持ち方でワインを注がれます。



その度に万が一手が滑った時のことを想像してドキドキするの、もう嫌なんですよ。



いやきっと店員さんもワインラベルを見せたいとかそれっぽくしたいとかあるのは分かるんですけどね。



こちとらワインがぶちまけられないか心配でたまりません。



事実、こういう持ち方でワインを注がれてるお客さんの大半が会話をやめて注がれるのを見てますよね。


みんなもハラハラしてるんですよね?




たまにワインを注がれている間も話し続ける猛者がいますが、横目で見てハラハラしてますよね?







そもそもね、ワインバルの店員さんも僕からするともうちょっと控え目にした方がいいと思うんですよ。




席に来るなりドヤ顔でワインを紹介。


例の持ち方で俺はこんな危なっかしい待ち方でもワインを注げるんだぞというアピール。


「あなたの頼んだワインがグラスに注がれていっている姿、ご覧あれ」と言わんばかりの表情でグラスにワインを注ぎ、


「さぁ、飲んでみてよ」という言わんばかりの笑みを浮かべて厨房に去って行く。





アヒージョを置いてる店、大体こんな感じです。(偏見)






ワインの名前を聞いてもちっともピンと来ないのは僕が悪いと思いますし、名前を言ってくれたにも関わらず2秒後に忘れている僕もどうかと思います。



グラスに注いでくれるのはありがたいですし、去り際に笑みがあるのも接客として満点です。



だからそれらは許すにしても無駄にスリリングなあの持ち方だけはやっぱり許せません。



僕はワインを味わいに来たのであって、スリルを味わいにきたわけじゃありません。



手でワインに熱を与えるとか色々理屈はあるんでしょうが、万が一格好をつけているのであれば今すぐやめて下さい。





あとこの際言っておくと、ワインの味についての説明もざっくりしすぎです。


「口当たりが良くて、フルーティーでさっぱりしてますよ」とか言われても、よく想像がつきません。
こっちがさっぱりです。


フルーティーと言いますが、具体的に何の果物か説明してもらった覚えがありません。



そもそもいくら説明したところでアヒージョを頼んでいるような連中というのは
「あ、飲みやす〜い」としか言いませんよ。(偏見)







ちなみに僕がワインを頼むときは「なんか樽みたいな匂いが強いやつください」と頼み、
「樽みたいですね!」という感想を述べ、
すぐさまアヒージョを追加注文してます。








アヒージョ、大好きです。



ただ本当にあのワインの持ち方ドキドキするんだよなぁ…





にわか趣味に興じた夜

どうも、癖っ毛侍のダイキベイダーです。


ここ何回かの更新でことごとく自身の昔話をしたので今回は少し休憩したいと思います。



実は僕、革靴が好きなんです。



数えてみたら、今家に18足の革靴がありました。


特に好きなブランドは Church's (チャーチ)というイギリスのブランドでして、かつてジェームズ・ボンドが履いていた革靴のブランドでもあるんです。




まぁそもそも僕は全てにおいてにわかなので大した情報があるわけではないのですが、昔話をネタにするだけではブログは続かないのでここで革靴好きのキャラも付け加えておこうと思った次第です。


アイコンに使っている写真もこのチャーチというブランドのバーウッドというモデルになります。



実はこれ、ゾゾタウンの福引キャンペーンで10万円分のポイントが当たって買ったんですよ。


いやこれほんとなんです。



後で調べると1日に日本で1人しか当選者が出ない企画だったそうで、最高に嬉しい気分になったのですが、満を持して高額当選した景品が現金ではなくポイントというあたり逆に金運がないことを物語っていますよね。



この中途半端な金運、神様に一言言ってやりたいと思います。


天然パーマへの対価としては安すぎですよ神様。

そもそも胎内でパーマかけるなんて酷すぎますよ神様。

そのくせ思春期の頃に流行った髪型がサラサラのストレートって鬼ですか神様。


これで神様が天然パーマじゃなかったら僕何するか分かりませんよ?








とにかくポイントで手に入れちゃった一品なんですよ。



ポリッシュドレザーといってはじめからロウでコーティングされたようなツヤがあるので手入れも比較的簡単です。



手入れと言えば、ちゃんと靴磨きもしてますよ。


あまり知らない人も多いかと思いますが鏡面仕上げという靴のつま先が鏡のようになる磨き方とか色々あって楽しいんですよ。

革が自分色に染まっていって、世界に1つのオンリーワンになっていく過程を追えるんです。



渋い僕にはぴったりの趣味ですね。



こうね、靴を磨いていると自分の汚れまで落ちていくような気分になったりしてね。


仕事のミスとか思い出してね、それも拭き取れないかなとか思ったりしてね。


給料あげろやとかいう傲慢な気持ちも一緒に洗い流してね。


他にいい会社ないかなとかいう邪念も捨て去ってね。


同級生と給料の言い合いをした時に少し盛ったこも忘れようとね、磨くんですよ。


そうしていると気付けば黒霧島のロックを片手に磨いてるわけです。


誰かこの涙も拭き取ってくれませんか?



ということでたまには革靴にも触れてブログ更新していければと思ってます。




あ、そういえばまだちゃんと御礼ができていなかったので、御礼の意味を込めてこの場を借りて言わせて頂きますね。




服を買うならゾゾタウン!


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電車の中の悪夢





こんばんは、ダイキベイダーです。



前のブログでは僕がいかにイキった高校生であったかを書きましたが、今回もそれにまつわるエピソードを書こうかなと思います。



前回更新ブログ
男は格好つけの格好悪い生き物です - 癖っ毛侍




高校時代の僕と言えば、天然パーマに今よりも更に過剰なコンプレックスを抱いており、休み時間には整髪を怠らないナルシスト野郎でした。


ヘアセットも今よりもずっと下手くそだったので、癖っ毛が常に本領発揮しており、気になって気になって仕方がありませんでした。


元来、スポーツが好きな人間なのですが、汗かいて髪の毛クルクルになりたくないという理由から2日で部活を辞め帰宅部となったほどでした。


今になってみれば帰宅部になったことで色々と楽しい時間を送ることもできて特に後悔もないのですが、毎年甲子園や高校サッカー選手権を見ているとスポーツにかける青春も楽しそうだなぁと少しだけ天然パーマを恨みます。




いや、本当はもうこんな髪の毛むしり取って捨ててやろうかなという強い邪念に囚われます。



そんな僕だったので自分が他人からどう見えているのかが気になって仕方ないのです。


変な髪型していないか
変な顔をしていないか
変な格好していないか
変な匂いしていないか


など、思春期特有と言えばその通りなのですが、自分で振り返ってもかなり強度のナルシシズムであったと思います。


あれ?よく見たらそもそも格好良くないぞ?と気付いたのはそれから随分経ってからでした。


そんな僕なので、学校帰りの電車の中でも両手を学ランのポケットに突っ込んでイヤホンで音楽を聴くことを徹底し、それこそが電車の中で一番格好良いポーズであると疑いませんでした。



聴いていた音楽が尾崎豊であったことも、思春期特有の痛さを助長してますね。


いや尾崎豊大好きですけどね。今でもよく聴きます。




その日も、ポケットに手を突っ込みながら、流れ行く景色を細い目で見つめる僕。


その表情はまるで、遠い場所に最愛の恋人を残してきた旅人のようでした。


もちろん、生粋のチェリーボーイであったことは言うまでもありません。



イヤホンから流れる尾崎豊の歌詞は、思春期の僕の心を捕らえて離しません。



尾崎のその歌詞に、僕は強く同調するのです。


いつになればこの支配から卒業できるのか。


僕が僕であるために、勝ち続けなきゃならない。


(いつかチェリーを捧げるどこかの誰かに)I LOVE YOU...



既に僕の左足はリズムに合わせて小さくビートを刻んでいます。



もっともっと音楽の世界に飛び込んでやろうとそっと目を瞑った時でした。電車が急ブレーキをかけたのは。



ポケットに手を突っ込み、どこか哀しい表情で目を瞑りながら宙を舞う僕。


ポケットから手を出して受け身をとろうとしたのですが、両手がポケットに引っかかるというプチミラクルにより肩から地面に叩きつけられる僕。



慌てて目を開けると哀れな僕を見つめる女子高生。


そしてそのまま1回転半して仰向けになる僕。



後にも先にも電車の天井をまじまじと見つめたのはこの時くらいです。






やばいやばいやばいやばいと自分のダサさ具合に焦りまくったのですが、この格好悪い状況をなんとか打破しようと格好つけるのをやめないことに決定。


やれやれというようにフッと笑い、立ち上がります。



再び窓の外を見て、先ほどと同じように遠い目をして景色を見つめます。



と言うか、車内に顔を向けるのが恥ずかしく、そっぽを向くので精一杯です。


最寄駅に着き、溢れ出てきそうな涙を堪えながら自転車で全力疾走をして帰りました。



こんなことがありながらも、できる限り格好をつけ続けた高校時代。


男たるもの女にモテてナンボじゃい、と日々奮起しながら卒業までチェリーを守り抜きました。


そして卒業した今でも電車に乗るときは吊革を強く握って尾崎豊を聴いています。







男は格好つけの格好悪い生き物です

エレベーターを降りる時にノールックで『閉めるボタン』を押して出て行く人、かっこいいですよね。

うちの会社は11階にあるので、辿り着くまでに数人がエレベーターを降りていくのですが、そういう人が時々います。


ほんの稀に、開けるボタンをタンッと勢いよく押して出て行く人がいますが、その心意気を汲んで良しとしましょう。



先日僕も初めて降りる時に閉めるボタンを押してみたのですが、緊張のあまり体がエレベーターから出る前にボタンを押してしまい閉まってきた扉に体を挟まれました。


タイミング、難しいですね。


こんにちは、癖っ毛侍のダイキベイダーです。


そのエレベーターでの失敗で、何が一番寂しかったかと言うと、僕の後ろにその階で降りる人が控えていたこですかね。


体をぶつけたことで扉が開いて良かったです。


大変ご迷惑をおかけしました。





さて、僕がエレベーターをよく使うのには理由があります。それは喫煙所に行く為です。


禁煙ブームの昨今ですが、皆さまはいかがでしょうか。



僕は喫煙者です。
とは言えヘビースモーカーではありません。



2〜3日で1箱ペースですし、1年前から電子タバコアイコスを喫煙しているので、ヘビースモーカーとは言えないと思っています。



思い返してみれば、本当は良くないのですが高校時代に粋がった勢いでタバコに手を付け、早12年。



タバコ=かっこいいと本気で思っていた為、セブンスターやラッキーストライクなどかっこいい箱のやつを自販機で買っては、学校の近くの公園など人目につかないところで吸っていました。




まったく美味いと感じもしないにも関わらず「くぅ〜!これこれ〜」と粋がっては正直気分が悪くなっていたことをよく覚えています。



また、16〜17歳の男というのはほとばしるほどアホでして、友人も皆同じようにアホだった為、数人で集まるとアホが加速するんですよね。

(アホはお前だけだという異論は認めます。)


例えば、タバコというのは人差し指と中指の第一関節と第二関節の間で挟んで吸うのが一般的な吸い方ですが、アホ故にかっこいい吸い方を求めるんですよ。


親指と人差し指で摘んでみたり、中指と薬指に挟んでみたり、爪楊枝に刺して吸ってみたりしてカッコよさを求めていたんですね。


結局は人差し指と中指の付け根でタバコを挟み、手で口を覆い隠すようにして吸うというのが一番カッコいい吸い方だという話で落ち着いたのですが、正直これは今でもカッコイイと思っている自分がいます。



また、灰の捨て方にも格好良さを求めており、人差し指でタバコの中腹をトントンしたり、親指でタバコの吸い口を弾いてみたり、口で吹いて灰だけ飛ばそうとしたら灰が目に入ってみたりしていました。



結局は灰は好きなように捨てようぜという話になった昔の自分達が馬鹿っぽくて愛おしいです。




まぁそのようにアホの加速の延長上で今もタバコを吸ってしまっている僕なわけです。


会社の喫煙所では、皆が皆、思い思いに静かに、時々細い目で空を眺めたりしながらタバコを吸っているのですが、それぞれに馬鹿っぽいエピソードがあると想像するととても滑稽ですね。

(馬鹿なエピソードがあるのはお前だけだという異論は認めます。)



タバコは百害あって一利なしとは言いますが、色んな思い出ができたことは、吸っていて良かったかなとも思います。


白い煙の向こうには、馬鹿をしていた頃の思い出がゆらゆらと揺らいでいて、僕はそれに手を伸ばしてみたくなるのです。




ただ、本当にそろそろタバコやめたい。